え!?何これ!?気持ち悪い!
なんか変なん浮いてる!?
ジョータローさん
ハウステックのKGR2-5型の点検に来たのですが、
ばっ気してる所に何か浮いてるんです。
あらら、『糸状菌』が大量発生してるね。
慌てなくても大丈夫だよ。
こんにちは、浄化槽管理士歴10年 浄化槽管理士の浄島ジョータローです。
浄化槽の点検に来たら、
ばっ気部の水面に『ぬめぬめ、ふわふわしたモノ』がある!?どうすればいいの!?・・・と
初めは誰でも驚いてしまいますよね。
- 「ぬめぬめしたこの物体は何?どうすればいいの?」
- 「なんだこの気持ち悪いふわふわしたものは?」
- 「水質が悪い・・・こいつが原因か?」
など、
KGR2-5型に糸状菌が発生して、対応方法がわからず不安になる新人の浄化槽管理士さんはいるでしょう。
そこで今回は、KGR2-5型に糸状菌が発生した時の対処方法を解説します。
この記事を読めば、KGR2-5型に発生した糸状菌の対処方法が理解できます。
それでは解説していきます。
糸状菌について
糸状菌は、浄化槽内の微生物群の中で非常に重要な存在ですが、適切に管理しないと問題を引き起こします。以下に整理して解説します。
糸状菌とは
糸状菌は、長い糸状の形態を持つ微生物(主に真菌や細菌)です。
水中や土壌など自然界に広く分布しています。
浄化槽内では、一般的にミズワタと言われる主にスフェロチルスなどの糸状菌です。
ぬめり感のある糸状のものが担体押さえネットに付着します。
浄化槽での役割
担体内部に糸状の生物膜が付着するのは正常です。
糸状菌は、難分解性有機物や油脂の分解、活性汚泥のフロック形成に関与しており、浄化槽の処理能力を高める働きがあります。適量であれば非常に有益な微生物です。
浄化槽内で、微生物群の一部として、水処理プロセスに重要な役割を果たします。
増えすぎた場合の問題点
糸状菌が過剰に繁殖すると、担体押さえネットが閉塞する恐れがあります。
糸状菌が発生した原因について
今回の事例では、浄化槽を点検時期が12月でしたので、冬季の低水温と低DO環境下で糸状菌が発生したものと思われます。
その他の要因でも糸状菌が増殖することがあります。
- 高負荷条件:有機物濃度が高い(例えば、流入汚水に大量の油脂や糖分が含まれる場合)。
- 低酸素条件:槽内の酸素供給が不足している。
- 低栄養バランス:窒素やリンなどの栄養塩が不足している。
- pH変動:酸性またはアルカリ性に偏った環境。
糸状菌が発生した時の対処方法について
- 水面に浮上している生物膜の塊をトングなどで掴んで嫌気濾床槽へ戻します。
- 大きめの塊を除去できたら、採水用のゴムスポイトや柄杓を使って生物片を嫌気濾床槽へ戻します。
- ブラシ等で担体押さえネットを軽くこすって洗浄します。
- ブロワカバーを開け、手動逆洗を押して5分程度で逆洗状態にします。
- 逆洗停止後、水面に浮上して来た生物片を柄杓ですくい、嫌気濾床槽へ戻します。
- 担体流動生物濾過槽内にシーディングを実施して、処理機能を立ち上げてください。
おわり
今回は、KGR2-5型に糸状菌が発生した時の対処方法について解説しました。
糸状菌は、浄化槽の浄化能力を支える重要な存在ですが、管理が不適切だと問題を引き起こします。
定期的に点検をすることで、糸状菌を「味方」に変え、浄化槽を安定稼働させることができます。
この記事が少しでもあなたの浄化槽 点検のお役に立てれば嬉しいです。
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