げげ!!なんじゃこりゃー!
なんか変なモノが浮いてる!?
ジョータローさん
ハウステックのKGR2-5型の点検に来たのですが、
ばっ気してる所に何か浮いてるんです。
おお。こりゃ、『担体』だな。
微生物の「巣」になるような部品で
浄化槽内で微生物を増殖しやすくなるためのもんだ。
なんかそれが出ちゃってるんです。
担体が流出しちゃったんだな。
まぁ、慌てなくて平気だ。
こんにちは、浄化槽管理士歴10年 浄化槽管理士の浄島ジョータローです。
浄化槽の点検に来たら、
ばっ気部から担体が流出していた!どうすればいいの!?・・・と
初めは誰でも焦ってしまいますよね。
- 「担体流出したらどうすればいいか分からない…。」
- 「なぜ担体が流出してしまったのか…。」
- 「担体流出をどうやって直せばいいかわからない…。」
など、
KGR2-5型で担体が流出して、対応方法がわからず不安になる新人の浄化槽管理士さんはいるでしょう。
そこで今回は、KGR2-5型の担体流出の解決方法を解説します。
この記事を読めば、KGR2-5型の担体流出の解決方法と今後は何を気を付ければ良いか理解できます。
今回の担体流出は軽微な事例です。
焦らず、落ち着いて対応しましょう。
担体の回収方法について
担体流出の状況を確認する。
まずはブロワーのコンセントプラグを抜いておこうか。
はい。
ブロワーのコンセントプラグを外しました。
うんうん。
全然、大丈夫。
一室の方にも担体があるかな?
いえ。1室の方に担体は浮いてないです。
じゃぁ、静止部の担体は流出してないな。
2室はどうかな?
2室にも担体は浮いていません。
了解。
じゃぁー、ばっ気部の担体が少し流出しただけだ。
担体が出てきた箇所はこの辺りだな。
隙間があるでしょ?
そうですね。
メッシュボードと隔壁に隙間があるように見えます。
よし!さっそく対策していこう。
まずは作業しやすいように
ばっ気部の水位を下げようか。
はーい。
担体の回収方法
こら!
生物ろ過槽の水を掻き出しちゃダメだ。
処理水槽の水を放流させるんだ。
す、すいません。
吸っては吐き出し、吸っては吐き出し、吸っては吐き出し。
吸っては吐き出し、吸っては吐き出し、吸っては吐き出し。
吸っては吐き出し、吸っては吐き出し、吸っては吐き出し。
部材があれば簡易的なエアリフトポンプを自作すると作業効率が上がるぞ。
まぁ、このくらいの水位ならいいかな?
このあとはどうするんですか?
メッシュボードの一部分に開口部を作って
そこから担体を中に戻すよ。
これはニッコー 浄化王の『ろ材』だよ。
こういったメッシュ状の部材は少量残しておくと便利だ。
筒状の『ろ材』をカットして広げ、板状にします。
こんな感じでメッシュボードの開口部を塞ぎます。
『ろ材』の大きさを考慮してメッシュボードの一部に開口部を作ります。
開口部を塞ぐ材料は他のものを代用しても構いません。
ろ材で塞げる穴はこのくらいだね。
開口部の大きさはこれくらいで十分だ。
ほ、本当に切り取っちゃったんですね・・・
ちゃんと塞げば大丈夫だよ。
さぁ、流出した担体を開口部から中に戻そう。
なるほど。
もう少し水位下げた方が作業し易かったかも・・・
ジョータローさん
担体を全て回収できました。
よし。
あとは樹脂リベットでろ材を固定すればいい。
いい感じに塞ぐことが出来ました!
これで担体の回収は完了だね。
次は担体が流出した『隙間』の対策だ。
この隙間が怪しいな。
シリコンコーキング材をたっぷり充填してみよう。
ちょっと見栄えが悪いですが完了です。
これで大丈夫だよ。
しばらくこれで様子を見てみよう。
担体が流出した原因について
新米くん。
担体回収作業お疲れ様。
作業してみて担体が流出した原因とか分かったかな?
え?うーん・・・
神様が僕を成長させるために試練を与えたことが原因ですかね。
汲み取り清掃の判断が遅れてしまった事が要因の一つかな。
1年に1回 汲み取り清掃を実施することが大切だよ。
今回の事例を検証
KGR型の生物ろ過槽は上下に分かれているよ。
上部が『ばっ気部』、下部が『静止部』だ。
それぞれに『担体』充填されている。
右側の図のように汚泥の負荷によって、隔壁が膨らんだ形状になってしまい
メッシュボードと隔壁の間に隙間が出来て担体が流出した可能性がある。
出典:ハウステック KGR2-5型 維持管理要領書 P37 図解より
出典:ハウステック KGR2-5型 維持管理要領書 P37 図解より
ばっ気部の担体が流出してしまったという事なんですね。
そういうことだね。
静止部の担体流出について
それから、最初に『1室に担体があるか?』を確認したのを覚えている?
あ、そう言えば聞かれました。
静止部の担体が流出している場合、逆洗の際に返送水と一緒に1室に担体が流出します。そのため、1室に担体がある場合は、静止部のメッシュボードや隔壁に異常が発生している可能性があります。
出典:ハウステック KGR2-5型 維持管理要領書 P37 図解より
今後、担体が流出しないようにする対策
担体が流出しないようにするにはどうしたらいいですか?
汲み取り清掃を1年に1回 実施することが一番かな。
浄化槽が古くなると、部品が経年劣化し、汚泥の荷重に耐えられなくなる可能性が高まります。隔壁やメッシュボードが破損するリスクもあります。もし浄化槽の管理者が汲み取り清掃の実施に否定的であれば、浄化槽の老朽化に伴う故障を防ぎ、無駄な修理費用が発生しないように、適切なタイミングで汲み取り清掃を行うことの重要性をお伝えしましょう。
まとめ
今回は、ハウステック KGR2-5型の担体流出の対応について解説しました。
対応ポイントは下記の3つです。
担体流出の原因となるポイントは下記の3つです。
担体が流出しないようにする対策ポイントは1つです。
以上です。
この記事が少しでもあなたの点検業務のお役に立てれば嬉しいです。
もしこの記事が参考になった、良かったと思っていただけたら、ぜひ他の方にもシェアしていただけると嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。
浄化槽がどんな状態でも、自信を持って点検していきましょう。
ジョータローでした!
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