

ジョータローさん。
お客さんから浄化槽のブロワー修理の依頼を受けました。
EP-80ELの修理方法を教えてください!

安永のEP-80ELの修理は少し難易度が高いよ!
今回は浄化槽 ブロワー EP-80ELの修理方法について解説するよ!
こんにちは、浄島 ジョータローです。
浄化槽管理士歴10年で、年間800件以上の浄化槽の維持管理業務を行っています。
ブロワーを修理する際には、ブロワー内部の状態を良く確認することも重要です。
最低限押さえておくべき注意ポイントと基本的な修理方法について解説します。
- 安永 EP-80EL 浄化槽 ブロワーを修理する方法
- ブロワーが修理して直るのか直らないかの判断基準
- 修理する時の注意点
まだ、EP-80ELを修理したことが新人さんにも分かるように丁寧に解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。

EP-80ELの修理方法は慣れも必要です。
修理方法を覚えて、自信を持ってブロワーを修理できるようになりましょう!
安永 EP-80ELの修理方法
まず、故障の原因を特定する為にブロワー本体の内部を確認します。
ブロワー内部を確認する方法は以下の通りです。
1.カバーを取り外すために、本体を裏返します。

2.四隅のカバー止めネジ4本を外します。
3.ネジを外したら、本体を元の向きに戻して、カバーを外します。

密着して外れにくい場合は、カバーと吐出口の間にマイナスドライバーなどを差し込んでこじ開けます。今回は吐出口をゴムハンマーで軽く『コツン!』と叩いて開けました。
(タイマーユニットを取り外すとカバーを完全に分離できるので作業し易くなります。今回は、タイマーユニットを取り外さないで作業を進めています。)

4.防音ネットを取り外します。

5.ケーシングブロックを固定しているケーシング止めネジ4本を外します。

ケーシング止めネジ4本を外しました。

6.反対側のケーシング止めネジも外します。
7.ケーシングブロックを取り外します。

密着している場合は、マイナスドライバーなどを凹部分に差し込んで、こじ開けます。

8.反対側のケーシングブロックも取り外します。

ダイヤフラムが破れていますね。

今回の故障は、ダイヤフラムが経年劣化で破れ、安全装置が作動してブロワが止まったという事です。

これが安全装置のスイッチです。OFF側にスイッチが傾いています。
9.次は、カバープレートを取り外すために、プレート止めネジを外します。

10.カバープレートを取り外します。

密着して外れにくい場合は、カバープレートのパッキンにカッターナイフなどを差し込みます。
※こじ開ける必要はありません。

ある程度までカッターが入ればカバープレートが浮き上がります。

11.カバープレートパッキンを取り除きます。

12.保護スイッチの配線を外します。

カバープレートが外れました。

取り外したカバープレートの通気孔に汚れが付着しているので、除去します。

通気孔の汚れをカッターナイフなどで削り落としておきましょう。

汚れが取れました。
13.ケーシングブロックを取り外すために、ピンバンドを緩めます。

14.L字チューブをケーシングブロックから引き抜きます。

15.反対側のケーシングブロックも取り外します。

16.ダイヤフラム台ブロックが固定されているナットと平ワッシャーを緩めます。

17.ナットと平ワッシャーを取り外します。

18.ダイヤフラム台ブロックを取り外します。

19.反対側のダイヤフラム台ブロックも同じように取り外します。

ダイヤフラム台ブロックの取り外しが出来ました。

両側ともダイヤフラムが切れてました。
20.カバーパッキンを取り外します。

カバーパッキンを取り外しました。

21.新しいチャンバーブロックセットを用意します。


22.位置決め板4本を準備します。

23.位置決め板の2.4mm側をコアとロッドの間に差し込みます。

下記の写真は真上から見た様子です。

コアとロッドの隙間が左右均等になっているか確認してください。
24.新しいダイヤフラム台ブロックを準備します。

25.新しいダイヤフラム台ブロックを取り付けます。

ダイヤフラム台ブロックには『表と裏』『右と左』があります。

正しい『向き』で新しいダイヤフラム台ブロックをセッティングします。

26.新しいナットと平ワッシャーを準備します。

27.新しいナットと平ワッシャーでダイヤフラム台ブロックを固定します。

しっかりと締め付けて固定します。※締め過ぎにも注意してください。

28.反対側も同じように取り付けます。

しっかりと締め付けて固定します。※締め過ぎにも注意してください。

29.新しいケーシングブロックを準備します。

30.新しいケーシングブロックを取り付けます。

ケーシングブロック側の凹溝に、ダイヤフラムの凸部分が入るようにします。

31.ケーシングブロックをはめ込んだら、ネジで固定します。

ネジは対角線で固定していきましょう。

ケーシングブロックをネジで固定出来ました。
32.反対側もケーシングブロックを取り付け、ネジで固定します。

両側のチャンバーブロックの取り付けが終わりました。

33.カバープレートを取り付ける為に、カバーパッキンを準備します。

34.保護スイッチの配線を差し込みます。

35.カバープレートをセッティングします。

36.カバーパッキンの角を押さえながら、パッキンの位置を調整できる程度に緩めにネジを仮締めします。

カバープレートの取り付けが完了しました。

37.カバーパッキンを取り付けます。※『向き』がありますので注意してください。

切欠き部分が電源コード側になるように取り付けます。
下からくぐらせるようにします。

アース線をくぐらせればOKです。

カバーパッキンを取り付けました。

38.防音ネットを取り付け直します。

汚れの跡が残っているので、チャンバーブロックの形状と合うようにします。


カバーパッキンの『向き』間違えたままだぁー・・・
39.保護スイッチを『ON』の状態にする。

40.カバー裏のグロメットを差し込み直します。

ぐっと押し込めばOKです。

41.カバーを被せます。

42.カバーを被せたら、本体を裏返しにして、カバー止めネジ4本で固定します。

これでEP-80ELの修理は完了です。

最初は難しく感じるかもしれませんが、
慣れてくればEP-80ELの修理も難しくありません。
10分程度でチャンバーブロックの部品交換できるようになります。
自信を持ってブロワー修理できるよう、この記事があなたのお役に立てれば嬉しいです。
以上、ジョータローでした。

新米くん。あとでカバー開けて、パッキンの向きを直してね。

はい・・・


カバーパッキンには向きがあるので注意してください。
上記写真のように切欠き部分が電源コード側になります。
コメント